MFニッコールを代表するレンズで、ニッコール全体から観てもフラッグシップ的な存在といえる。海外でも非常に評価が高く、
詳細な研究ページが存在している。
その描写については伝説的で、また使いこなすことが難しい点についても伝説的なのだが、F4~5.6より絞り込んでしまうといかにもニッコールらしいエッジの利いた描写になり、比較的素直に使うことが出来る。ただ、絞って使うのならわざわざこのレンズを持ち出す必要は無く、実際に絞った時の描写はNikkor50mmF1.4と大差なく、大きく伸ばさないと区別がつかないほどだ。
もちろん、絞って使うならこのレンズを持ち出す意味が無いこともあり、当然のように開放付近で使うことになるのだが、そうなるとレンズの困った特性に正面から向き合わされる羽目に陥る。特に開放ではフレアが目立ち、画面周辺の点光源はあたかもコマフレアの見本がごとくなのだが、さらに厄介なのはハイライトが飛びやすいことだろう。
このレンズで日中の開放撮影が可能なボディはそう多くないが、かつてはISO25~50の低感度フィルムもいくつか市販されていたので、ボケ味を狙って開放撮影に挑戦する場合もあったようだ。ただ、よほど慎重に暗めの背景を選択するか、あるいは背景の白トビを狙って撮影しないと、思いっきりハイキーなカットになってしまう。うっかり青空なんかをバックに撮影スロと、空がきれいにぶっ飛んでわけがわからなくなったりする。それはそれでよい場合もあるが、ヌケが悪いカットだと単にピンボケっぽく見えてしまいかねないし、逆光だと中心被写体が沈みすぎていささかみっともなかったりする。
そんなこんなで、自分は室内か夜間での撮影にしかこのレンズを使わないが、アタリのカットが撮れたときのうれしさといったら、他のレンズでは決して味わえない達成感がある。また、それこそがこのレンズの魅力なのだが、それこそ性悪女かいかさま師と真っ向勝負するようなもので、下手するとケツの毛までむしられて放り出されかねないから、本当の意味で素人にはお勧めできないね。
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テーマ:銀塩ニコン - ジャンル:写真
- 2007/12/20(木) 23:52:30|
- カメヲタ話
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